設計変更

久しぶりの投稿です。

暇を見て進めていたECUの原理試作ですが、破綻しました(笑)。

当初はCPUだけで何とか処理ができるだろうという目論見だったのですが。

実際に始めてみるといろんな処理が必要で...それを実装していくと処理のタイミングや処理時間などが複雑になり...他の仕事でちょっと時間があいてしまうと、前に作ったコードの意図が良くわからなくなっているという悪循環。

要は最初のアーキテクチャー設計に問題があったということです。

NSF250RのECUを分解したときに、ハードウェアで処理する部分とCPUのプログラムで処理する部分が分かれていたのですが、やはりこれと同じような構造をとらないと難しいという感じです。

まあ、こういう問題点を洗い出すための原理試作なのですが。

というわけで設計変更です。

今度はFPGAを使ってハードウェア処理を行いつつ、FPGAに内蔵されたCPUを使ってソフトウェアによる制御も行うという方向で行きます。

久しぶりにアルテラのFPGAを使うことになりそうです。

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2DロガーとCAN

2Dロガーを借りて、CANの通信の解析をしました。

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ある計測装置を作って、そのデータを2Dロガーにロギングします。CANは思ったよりシンプルなプロトコルのようなので安心しました。どのようなフォーマットで2Dにデータを送ればよいかも確認できたので、回路の設計に入れそうです。

2Dのソフトウェアーはさすがに世界GP御用達のロガーだけあってよくできています。いろんなことが設定できて自由度がとても高いです。逆に設定が多すぎて困るという側面はあるのかもしれませんが、使いこなせれば強力な武器になりますね。

 

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ステップホルダーの破損率

弊社ではオリジナルデザインのNSF250R用バックステップを作っています。開発したのが2011年の秋なので、約4シーズンが過ぎました。

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NSF250R用バックステップキット

一番最初に作った200個のペダルノブがようやく無くなったので、何がどれくらい売れたのか調べてみました。

出荷したペダル(ブレーキ、シフト合わせて)の数176本

出荷したステップバーの数165本

出荷したステップホルダーの数67個

4年でたったこれだけと見るか、意外と売れたと見るか微妙な感じですが、気になるのは圧倒的に少ないステップホルダーの出荷数。このパーツです。

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転倒するとペダルはかなりの高確率で壊れますので、これをざっくり転倒回数とすると、単純計算で2.6回の転倒で1回ステップホルダーを交換する感じでしょうか。もちろん在庫分などもありますので概算なのは言うまでもありません。

出荷したステップホルダーの中には、ポジション違いの試作を作ったものの、テスト結果が良くなくてそのままお蔵入りした物も含まれているので、実際は平均して3回の転倒で1回のホルダー交換という比率に近いと思います。

ステップ関連のパーツの中では一番簡単に作れて、このパーツが売れるとうれしいのですが、実際は一番数が出ないという...。

懲りずに、体の小さなライダー向けのポジション違いのバリエーションを少し作ってみようかと計画中です。

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ECU苦戦中

ここ数日、自作フルコンECUのデバッグをやっています。

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原理試作基板でいろいろ忘れ物もしているので、デバッグが進むにつれてジャンパー線が飛ぶことになります。

始動(特に冷間始動)の実装に苦戦していました。定常的にエンジンが回っている時のデータはあらかじめ計測してあったので、一度かかってしまえばそれなりに動くのですが、始動性(特にエンジンが冷えている時)がとても悪くなかなかエンジンがかからない。セルを多用するので、バッテリーを充電しながらのデバッグです。

まずは純正のECUが始動直後に何をしているか見てみると、当然ですが、定常時と全然違うことをやっています。

・始動直後は定常状態の約2倍のガソリン量(6000us)を噴いている。チョーク動作。

・噴射のタイミングが定常状態よりかなり早い(180度ほど手前から吹き始め)。

・エンジンがかかると、噴射量は定常状態(3300us)になるように徐々に減少していく。

・エンジンがかかると、噴射のタイミングも定常状態に向けて徐々に移動していく。

これをプログラムで実装してやると、冷間でも一撃で始動できました。文章で書いてしまうと一瞬なのですが、実際は二日試行錯誤しました。こういうものを実際に作ってみると、本当に純正のECUはよくできていると思います。そして機械パーツのみでこれを実現するキャブレターがいかに巧妙にできているかも。

まずはECU単体でエンジンをかけるという最低限のところは何とかクリアできました。次はアクセル急開時の処理の実装です。アクセル急開時は燃料を追加しないと息つきを起こして回転が付いてきません。

まだまだ実装する機能がてんこ盛りですが、実走行テストまであと少しかな。

 

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CPU無し基板

CPUの載っていない基板を作るのは久しぶりでした。

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小さなスペースにいかに詰め込むかという設計ばかりしているので、面積に余裕がある基板の設計は何か落ち着きません。

コネクタとアンプがちょこっと載っただけのシンプルな中継基板ですがこの基板から出てくるわずか数Vの信号で400トンを超えるパラボラアンテナの向きをコントロールします。

パラボラアンテナでは数億光年離れた天体からの電波を受信するのですが、その結果わかるのは地球のプレートの動きとか、地軸の傾きのブレとか、地球自身のことらしいです。

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NSF250R用リアキャリパーブラケット

連日の新製品投入です。今回も商品名長いです

NSF250R用リアキャリパーブラケット(TZタイプキャリパー用)

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商品名の長さとニッチ度は強い相関があると思うのですが、そんなことはどうでも良くて(笑)、アドバンテージ社から発売されているNISSINリアキャリパー対向2POT TZ Type(パーツ番号ADRC-T64B)をNSF250Rのリアキャリパーとして取り付けるためのブラケットです。商品にはキャリパーは付属しませんので、別途購入いただく必要があります。キャリパーは実売価格で29000円前後で売られているようです。

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取り付けると、このような感じになります。簡単に特徴を。

純正の片押しキャリパーから対向2POTになることで、キャリパーのフローティング機構が不要になりますので、可動部分が少なくコントロール性の高いブレーキシステムを構築できます(という話だそうです。受け売りですみません)。

スイングアームのエンドブロックの溝を使ってキャリパーの回り止めを実現しているので、トルクロッドが不要になります。純正キャリパーでは、転倒時にフレーム側のトルクロッド取り付けステーが破損するケースが時々あるそうですが、そのような破損も回避することができます。

また、ブラケットにはステー固定用のM5のタップが切ってありますので、車速センサーなどの取り付けなどに使用できます。

アルミ(A2017材)からの削り出しで、クリアのアルマイトをかけてあります。

このブラケット、実は海外製に元ネタがあるのでオリジナルではないのですが、よくできていますね。

前投稿のNSF250R用リアブレーキリターンスプリングキットもなかなか売れなさそうな商品でしたが、今回のはキャリパーとセットで約4万円になってしまうので、さらに敷居が高そうです。年間3個売れるかどうか...(笑)。

 

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NSF250R用リアブレーキリターンスプリングキット

ようやくディスクインナー祭りから解放されて、他の仕事ができるようになりました。

放置されていたWebショップのページにも少しずつ手を入れているところです。久しぶりの新製品の紹介です。ちょっと長い商品名ですが...。

NSF250R用リアブレーキリターンスプリングキット

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走行中に意図せずブーツがリアブレーキペダルに当たってしまい、リアブレーキを引きずってしまうということがあります。これを防ぐためにブレーキペダルをゴムバンドで引っ張ったりしていましたが、今回、リアブレーキのマスターシリンダーに強めのリターンスプリングを取り付けることで、ブレーキペダルの踏み込みを重くすることができるキットを製作しました。

スプリングレートを2種類用意し、スプリングにイニシャルをかけることもできますので、踏み込みの重さの調整もしやすくなっています。HRC純正のステップホルダに取り付け可能ですが、弊社オリジナルのバックステップも検討していただけると幸いです。ブレーキホースも純正がそのまま使用できます。

自分で言うのもなんですが思い付きをそのまま形にした、かなりニッチな製品になっています。

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試作ECUのテスト

マシニング加工の合間にECUのテストをしました。

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今回のテストは、点火用のトランジスタの動作確認。

純正ECUから点火タイミングのみを拝借して試作ECUのトランジスタを使ってコイルをドライブする単純な仕掛けです。

トランジスタは点火用のNch-IGBTというタイプの物で、点火の電圧が約400Vでクランプされるようにツェナーダイオードが内蔵されているものです。

このトランジスタを使うと、イグニッションコイルの点火波形はピーク電圧約450V、ピーク幅約10usのパルス波形になります。アイドリングも安定しています。

ちなみに同じNch-IGBTでもクランプダイオードなしの物を使うと、点火波形はピーク電圧約800V、ピーク幅が約3usになりました。パルス幅(点火時間)が短すぎるせいか、アイドリングが安定しません。

クランプ電圧のレベルを変えることにより、点火電圧を上げたり、点火時間を延ばしたりという調整ができるかもしれません。

点火用のデバイスも決まったので、これからはいよいよマップで動かせるようにプログラムを作っていきます。まずは純正ECUのコピーからです。

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ディスクインナー祭り

これから1週間ほどディスクインナーの加工をします。

こんなやつ。ブレーキディスクをホイールに取り付けるためのパーツです。

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薄くて細いので反りが問題になります。元の材料自体がすでに反っているので、まずは材料の面出しから。バイスの間隔を狭くして、ごく軽く掴んでフェイス加工します。材料が当たりだと一度で面が出るのですが、はずれの材料だと何度かひっくり返しながらの加工になります。

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今回の材料は大外れ。面出しにえらく時間がかかりました。真ん中だけくぼんでいたりとか、勘弁してほしい...(笑)。

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面が出たら固定用の穴をあけ、ジグにセットして表面の加工。この時点でまた反りが出てしまいます。仕上げしろを少しだけ残して裏面の荒加工をします。

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裏面の荒加工が終わると、少し反りが戻ります。ここで定盤の上で固定用のボスの隙間を測って、その数値をもとにシムを入れてジグに固定、裏面の仕上げ加工をします。ディスクインナーの厚みは多少ばらつくけれども、ホイールへの取り付け面と、ディスクの面の平行が正しく出ていれば問題ないという考え方です。

あとはボスを切り落として、外周を仕上げたら出来上がり。

 

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ECUを分解する

NSF250RのECUをもらいました。

さっそく分解して中を調べます。外装のプラスチックを割り、充てんされているゴムを地道に取り除いていきます。遺跡を発掘しているような気分になります(笑)。

表はこんな感じになりました。

部品はマウントされていませんが、基板は2気筒まで行けるような設計になっているようです。左下に載っているCPUはNXP(フリースケール?)の32bitマイコンです。

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こちらが裏面。

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表のCPUだけですべて処理しているのかと思いきや、裏面にはKEIHINの刻印の入ったカスタムICが載っています。処理能力的には表のCPUで十分ではないかと思うのですが、カスタムICを使うことで、時間の制約の厳しい処理を高速化する、あるいはソフトウェアのテスト工程を短くすることなどを意図しているのかもしれません。

自分の目的は、点火を制御するためのトランジスタにどんなデバイスを使っているのかを調べることでした。スペックが分かったので早速同等品のパーツを注文しました。

あとはHONDAのECU用33ピンコネクタを何とか入手したいのですが、特注品なのか、どこにもないんですよね...。

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